施設介護の話 介護現場の裏話(日記)

怒りっぽい認知症の母親に、怒鳴り散らす息子【難しい利用者】

難しい利用者

私がグループホームで働いていた時に出逢った、かなり難しい利用者様の話をします。

 

週に2泊3日のショートステイで施設を利用することになったK子さん。言葉遣いがめっぽう汚く、ぶっきらぼうな口調で話す90代寝たきりの女性です。

 

多少ボケている様子がうかがえますが、こちらの話は理解できているようです。過去に脳梗塞を起こしていることもあり、アルツハイマー病ではなく、脳血管性の認知症でしょうか。

 

何しろ主治医がいないため、グループホームの訪問医に急遽”認知症”の診断をもらって入ってきた人です。

 

そして、K子さんはいつも怒っています。

スタッフが部屋に入るなり「何しに来た!帰れ、帰れ!」と怒鳴ります。

 

熱を測りますね。「いらん!」

血圧を測りますね。「うるさい!」

食事の時間ですよ。「そんなモンばっかりいらん!」

何が食べたいですか?「ラーメン食わせろ!ラーメン!」

 

で、ラーメンを作って持っていくと

「あ~~!そんな気持ち悪いものやめろ~!!」

 

基本的にはこっちから話しかけると「いらん、うるさい、出ていけ」という答えて帰ってきます。

清拭も最初は我慢をしてくれていますが、3分程すると「もういい!やめれ!出ていけ!」

ここでもう少し私が粘ろうとすると、「あ~~~~っ!」と大きな声で叫びながら手をバタバタさせて抵抗します。

 

それにしても声がでかい!

喉が強いのか、咀嚼(噛む力)や嚥下力もしっかりとしています。

お茶などもゴクゴクと飲み、ご飯も普通食です。「こんなもんもういらん!」と途中で怒り出しますが。

 

なぜK子さんはこんなにいつも怒っているんだろう…。誰しもがそう思います。

 

K子さんとはすでにこの状態で出会ったので、以前はどんな人だったのかさっぱりわかりません。家族も「前からあんなんです。すみません」としか言いません。

 

私たちの対応もあるのだろうと、スタッフみんなで策を練ります。

 

そこで、いろいろと試みたのですがなかなかうまくいきません。

お腹がすけば食事や水分は摂ってくれるし、オムツ交換も自分が気持ち悪くなればさせてくれます。(不機嫌ですが)

なので、最低限の生活は保つことが出来ます。

 

ただ、私達スタッフのメンタルを急降下させるK子さんの態度にみんな嫌気がさして来ました。

私たちも人間なので、部屋に入っていきなり「気持ち悪い顔見せるな!出ていけ!」と言われ叫ばれるとつらいんです。

 

ある時は私が部屋を掃除している間、ずっと「汚い、汚い、きたな~い!」と叫んでいたこともあります。

今綺麗にしてますよ~と私が言おうものなら、「気持ち悪い!しゃべるな!」と怒鳴られます。

無言で掃除していても「出ていけ~!出ていけ~!」と叫んでいます。

 

 

でもそれがデフォルトのK子さん。

介護職員以外にも、施設長にも医者にも家族にも同じ態度です。

 

お嫁さんが面会に来た時も同じように怒鳴っていました。

「来るな!お前の顔なんてみたくね~!」

 

あ~なるほど、やっぱりそうなのね。

お嫁さんは荷物を置いて一瞬で帰りました。

 

息子さんが面会に来た時は息子さんも一緒に怒鳴っていました。

「何しに来た!帰れ!」
「いい加減にしろ!ちゃんとしろ!」

「うるさい、だまれ!」
「お前がだまれ!そんなんじゃどこも面倒見てくれんぞ!」

「帰れ!帰れ!うゎ~~~~!」
「叫ぶな!しずかにしろ!」

 

ご家族さんも大変なんですね。

 

 

不機嫌な高齢者

次第に私たちはK子さんに今日はこんな事を言われた、あんな事を言われたと面白半分で報告しあうようになりました。

あまりにもえげつない事を言われると思わずププっと笑ってしまいたくもなります。

 

 

話しは少し変わりますが、以前、精神疾患を持っている女性で汚い言葉を吐きまくる人が入所していた時がります。なんだかその人の様子にもにているな~と、思ったりもします。

 

その人は周りの入居者にも「死ね!」とか「気持ち悪いな~お前!」などと罵声を浴びせまくるので、家族さんが限界を感じ、自ら退所しました。その人が行った先は重度の精神疾患をもった人が入る病棟。

私がその方の精神病院に入る手続きをしたので、よく覚えています。

 

話しは戻して…。K子さんもひょっとしたら何か他の病気を抱えているのかもしれませんが、いままでに病院にはほとんど行ったことなく、かかり付け医もいないので分からずじまいです。

最初にも言いましたが、血管性の認知症のひどいバージョンなのか、それとも何か幻覚でも見えているのか。

 

まぁそんなこんなでK子さんの罵声にもだいぶ慣れてきました(笑)

K子さんのようにある程度の距離感を保った方がいい利用者もいます。

 

ですが食事や排せつ介助、また口腔ケアなどは避けては通れません。

 

そんな中、スタッフが口腔ケアの時に噛まれたり、オムツ交換時に殴られたりするなどの問題も出てきました。

そんなこともあり、家族さんはこれ以上迷惑はかけられないとショートステイの利用をやめました。

 

訪問介護を利用することになったようです。

訪問介護のスタッフはもっと大変だろうなぁ…。とその時思いました。

 

私が現場で何よりも難しいと感じるのが介護拒否です。

なのでこのK子さんは私の中でもダントツで苦手な利用者でした。

 

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